安倍首相は8月28日、持病の悪化を理由に辞任を表明しました。しかし、その辞任 の根底にはアベ政権に対する厳しい批判、退陣要求の市民運動、世論があったことは明 らかです。
この間、コロナ禍の下で安倍政権の問題性はますます露わになってきていました。 もともと、アベノミクスで、中小企業・自営業が追い詰められ、非正規労働者の割合 が急速に増え、格差が広がり、病床の削減や保健所の統廃合等医療が削られ、福祉が切 り下げられて来ました。そこにコロナ禍が襲い、国民はかつてない困難を強いられてい ます。しかしこれに対して安倍政権が打ち出したのは、「全国一斉の小中学校休校」、「ア ベノマスク」、「GoToキャンペーン」と、専門家の意見を無視した、ピント外れの有害 無益なものばかりでした(その後、国民の声を受けた野党の要求が与党も動かして若干 の措置がとられましたが)。
コロナ禍の前から、安倍内閣は、「桜を見る会」の問題で、その腐敗ぶりを明らかに していました。安倍後援会の「前夜祭」も含め、自民党、安倍首相による公的行事の私 物化があまりにも露骨でした。また深刻なのは、この問題に関する資料隠し・廃棄、調 査拒否、説明拒否、審議拒否、国会無視のその基本姿勢です。「モリ・カケ」問題と同 じです。政治を私物化し、官僚が「忖度」し、資料を破棄・改ざんし、虚偽答弁、知ら ぬ・存ぜぬで逃げ切りを図る。黒川検事長の勤務延長延長と検察庁法改正問題は、政治 からの独立と中立が大切な検察官の人事に内閣が口を挟んで自分に都合の良い検察にし てしまおうとする重大問題でした。ここでも当然残されているべき公文書がありません。 コロナ対応でも、こうした安倍政権の問題が顕著です。専門家会議の議事録を作成しな い、緊密な関係の企業に事業を丸投げにする、憲法53条に基づく臨時国会の召集要求 も無視して逃げ回る、等々。安倍首相は、こうした多くの問題に答えること無く政権を 投げ出しました。そして、後継には、「安倍路線の継承」を標榜する候補が有力視され ています。
いま、安倍路線の問題点をしっかりと総括し、転換させる事が必要です。改憲を阻止 し、民主主義と、基本手人権の尊重とそして平和を展望できる、憲法に則った社会にな っていってほしいと思います。
その為には、市民と立憲野党の共闘とその発展がなんとしても必要です。 多くの市民が参加し、市民の運動がお互いを尊重し合いながら手を携えて、輪を拡げ ていくこと、そうした市民が立憲野党の背中を押し、政党も手をつないでこそ安倍路線 に代わる政治を展望できます。さらには、そうした市民の丁寧な運動の中でこそ、真の 民主主義を草の根から育んでいくことが出来るのではないでしょうか。 私達は、そんな想いで、私達の生活するこの大田で「市民連合おおたの会」といった 市民の繋がりをつくろうと呼びかけます。
市民と市民運動の緩やかなネットワークです。
みんなで要求を持ち寄って、みんなで力を合わせます。みんなで少しずつでも声を出 し合って、その輪を大きく拡げて行けたらよいと思っています。
ぜひ、ご参加下さい。
2020年9月
呼びかけ人(五十音順)
浅見洋子(詩人)
伊藤誠(経済学者)
神田礼子(元 NPO 法人しあわせ理事長)
佐伯正隆(税理士)
櫻井光政 (弁護士)
田村直 (大田病院院長)
長尾詩子 (弁護士・ママの会@大田区)
安原幸彦 (弁護士)
渡辺喜代志(天理教平和の会)